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小説を久しぶりに書きたくなった。
なので書いてみました。

……腐女子になった直後の一年間ぐらいは小説書いてたんですよ。
イラストなんて全然描いてなかった。
今じゃ小説の方が書かなくなり、1年ぶりに書いたのでは?


突発的に書いた、しかもMoiraな小説です。
オル→エレでエレフ死後な感じ。
因みに私はオルフ=オルフェウス派です。




将軍が死んだ。

王とその母親を将軍が殺し、アマゾンの女王も近くにいた兵士によって殺された。
その後何が起こったのだろうか?
全てを見ていた自分でも分からない。
唯、確かなことは将軍が死んだということだけだった。

その華奢な身体が支えを失ったように崩れ落ちる様はゆっくりと目に映る。
ここが戦場であるということを忘れる程の無音。
大将を失った軍隊は皆身動ぎ一つしない。
いや、遠くでは己の大将の死を知らない者達がまだ争っているのだ。
銅と鉄のぶつかる金属音が確かに響いているはずなのに全く耳に入ってこないのは、俺の耳が機能していないからか。


視線を僅かながら将軍から外すと、反対側から突撃したシリウスの驚いた顔が見えた。
恐らく、今の自分も同じ表情をしているだろう。


「将軍がいないなら生きていても意味がない」


奴隷部隊の誰かが呟いたのを聞いた。
無音の世界では小さな呟きが異様に響いた。
確かにそうかもしれない。
将軍を慕ってきた俺は将軍亡き今、何に従い、何に抗えば良いのだろうか。
ならばいっそ、この命を絶ってしまえば良い。
手にした剣を握り直した。

「馬鹿か、将軍の遺志を果たそうとは思わないのか!自決したところで将軍が喜ぶと思うのか!?」


シリウスの怒号が響いた。
普段は冷静な彼が大声で叫んだことに驚いた。
…将軍補佐としての役割は将軍を支え、目的を遂行することだ。
理解は、している。


「互いの大将が亡くなった今、私達は和解を望む」


王の側近らしき男が叫ぶのを聞いた。
シリウスの方を向き、二人で顔を見合わせると頷いた。
これ以上同胞の血を流す必要は無い。
将軍は奴隷の解放を望んでいたのだから。

…本当のことを言うと、将軍の望みは奴隷の解放だったのか定かではない。
しかし彼の唇からはもう何も語られない。
近くにいるつもりだったが、最後まで彼のことを理解出来なかった自分が憎かった。


地に臥した将軍を見て思う。

貴方に言いたいことがありました。
貴方が生きている間にはどちらにしろ言えなかったと思いますが。


「貴方を愛しています、エレフセウス様」


今も、これから先も貴方への想いは変わらないでしょう。
貴方に会って伝えたい。
然れど俺が自決したら貴方は怒るのでしょう。

それなら俺は―――
(貴方を迎えに、冥府にでも行きましょう)

 後に、アルカディアで奴隷解放令が発布されたというのは俺の知ったことではない。





奴隷は正式に解放されていることを願って最後の文を書いてみました。
実際は長年の習慣が消えることなく、陰で差別はあるし奴隷もなくならないのでしょうね。

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