能力なくなっちゃうの!?
ヒーロー辞めちゃうの!?
おじさんはずっとヒーローやっててもらいたいよおぉぉぉぉ!!!!!!
と荒ぶったけど、ポジティブに考えてみたら最終回への道筋が見えたよ。
っていう妄想を文章にしてみました。
終わり方尻切れトンボだよ、期待しちゃいけないよ。
…っていうレベルです。
あれだ、私はデレバニを受け入れた。
「能力がなくなるかもしれない」
ベンさんからそう聞いて、動揺して、家に帰って少し冷静になった頭でこれからのことを考えてみた。
この能力がなくなったら、当然だけど仕事辞めなきゃいけねえよなぁ。
そしたら次の仕事はどうすりゃいいんだ?
俺1人ならなんとかなるけど、育てなきゃいけない子供がいる。
しかもこれから中学、高校、大学とまだまだお金が必要じゃねえか。
ヒーローは辞めても、このまま普通の社員としてアポロンメディアで雇ってくれないかなぁ。
引退…か。
したくねぇな。
この能力で他人を傷つけない為に、人を守ることに使う為にヒーローになったのに、今じゃヒーロー続けたいから能力が欲しいっていうのも変な話だ。
子供の頃にあんなに嫌ってた能力なのに、なくなるってなったら寂しいもんだな。
…あぁ、ヒーロー辞めたら楓と一緒に暮らせるのか。
それは悪くないな。
そしたらもう楓も大きくなったし、いつまでも親の仕事を知らせないわけにはいかないよな。
俺の仕事がヒーローだったってことを伝えよう。
そしたらどんな反応するんだろうな。
どうして秘密にしてたんだって怒ってから、これからの仕事はどうするのって言いそうだな。
…楓にヒーローのことを告白するのは、仕事を見つけてからにしよう。仕事が決まってないって理由で娘を不安にさせたくはないな。
新しい仕事に就いて、楓と一緒に暮らして、今まで構えなかった分の愛情も注いで、反抗期に傷ついて、テレビで元同僚の活躍を見守る、そんな普通の生活を送るのも悪くない。
ヒーローを辞めると、決心した。
「虎徹さん!」
ロイズさんにヒーローを辞めたいと伝え、その後も会社に残れないかと交渉をして退社しようとしていた時だった。背後から廊下を走ってくる足音が俺を呼び止めた。
「ロイズさんから聞きましたよ!ヒーロー辞めるって、そんな、なんで……っ!?」
振り返りたくないな、と思いつつも振り返ると案の定動揺したバニーの姿があった。しかも泣きそうな顔してるじゃねえか。ヒーローがそんな顔すんなよ。
「今の僕たちの仕事は順調じゃないですか!?辞めなきゃいけないような理由ってなんですか?娘さんに何かあったんですか?それとも僕に愛想が尽きましたか?僕が虎徹さんに迷惑掛けていましたか?だったら正直に言ってください!!」
そうなんだよ、仕事がようやく軌道に乗ってきたんだよ。それなのにごめんな、バニー。楓は今日も元気に学校に行ってるはずだ。お前に愛想が尽きたなんてはずがないだろ?迷惑なんて俺の方が掛けてただろ?
「そんなんじゃないさ。年齢的に、もうツラいなーって思っただけだ。…それにバニー。お前は俺がいなくても充分にヒーローやっていけるだろ?」
「年齢的にって…今、充分活躍してるじゃないですか!同年代のロックバイソンさんだって、まだヒーロー続けてますよ!?…それと僕は、1人ではヒーローなんて出来ません。だって僕、ヒーローになった最初から貴方と組んでたんですよ?1人ではどうしたらいいのか分かりませんよ…だから、ヒーロー辞めないでください……僕と組んでください……!」
キングオブヒーローが涙を溜めながら頭を下げるなよ。辞めるって決心したのに、辞めたくなくなるじゃねえか。でも、辞めたくなくても、辞めなきゃいけないんだ。
「………ごめんな、バニー」
「…っどうして!!?」
納得していないと顔を上げるバニーに、正直に能力が減退していることを告げた。明確な理由を告げずに去られることの方がツラいことが分かるから。でも、顔を直視することは出来なくて床を見つめていた。
「能力が…なくなる……?」
「そういうことだから、もう出来ないんだよ」
「そんなの、聞いたことありませんよ…?冗談ですよね……?」
「俺も最近、初めて聞いた。けど俺も分かるんだよ。最近能力の発動時間が短くなってるってこと。たぶんこのままだと……」
「そんな……」
ちらっとバニーを見ると、ショックを受けた顔をしていた。それなのに、次の瞬間には納得したような顔を作っていた。そいうの止めろよ。
「それなら僕に、虎徹さんにヒーローを続けさせることは出来ません。…ヒーロー辞めたら、娘さんと一緒に暮らせますね」
「…そうだな」
「虎徹さんのことだから、もっと喜ぶと思ったんですけど。」
この状況で、そんな顔で言われて喜べるか。
「…次の仕事は決まってるんですか?」
「この会社で使ってもらえないか交渉はしてみたけど厳しそうだな。サラリーマンをやったことないし、メディア関係のスキルもない…それに、俺がデスクワーク苦手ってことが社内に知れ渡ってるからな!」
「だったら」
冗談めかして言ったら、真剣な声が返ってきた。反射的にバニーを見ると、何かを決心したような表情でこちらを見ていた。
「僕が貴方の分も稼ぎます。1人でも頑張ります。だから、虎徹さんは家にいてください」
突然の申し出に、意味が理解出来なかった。
「……それってどういう………?」
「一緒に暮らしませんか?勿論、娘さんも一緒に」
「は?あ…それって……」
プロポーズじゃねぇか、という言葉は口の中でこもって、自分の耳にも届かなかった。
あの空白の10ヶ月は交際期間だったんですね、分かりますううぅぅぅぅ!!
そして引退をきっかけにプロポーズ、最終回は挙式と新婚生活なんですよね!?
奥さんは元ヒーローだから夫の仕事に理解があって素晴らしい夫婦になると思います!!
お幸せにっ!!!!
っていう幸せ家族が出来上がるのだと、私は信じている。